初恋素描帖(豊島ミホ、ダ・ヴィンチブックス)……相関図作ってみました

『初恋素描帖』(著:豊島ミホダ・ヴィンチブックス)を読んだ。
ある中学の2年2組35人の内、20人の短いストーリー。
一人10ページ弱で、タイトル通り恋愛に絡んだようなエピソードが描かれている。
2010年2月号の『papyrus』で、豊島さんがこの本について人間関係図をつくるという趣味の結実と書いていたので、相関図を作ってみた。

上の図が正確であれば、という前提だけれど、すごいなこれ。
女の子はそれぞれグループがあって、男の子はそれほどグループになっていない。
自分の中学時代のことを思い出してみると、たしかにこんな感じだったような気がする。
クラスがそれとなく浮き彫りになるだけで、全体として一貫したストーリーがあるわけではない。
しかし、それぞれ短く書かれるストーリーはどれもどこか懐かしく、自分の思い出ではないにしろ、こういうクラスメートがいたな、と思えたりする。
「恋」あるいは「初恋」というテーマが見えている以上、エピソードの意味がそこに落ち着いてしまっている点に関しては、少し残念ではあった。
けれどそれぞれの想いはカタチが違っていて、結果も違っていて、なんとも言えない懐かしさや苦さを思い出させてくれる。
浅野いにお氏のイラストは、一枚ずつ見るとイメージと必ずしも一致するわけではなかったけれど、カヴァーに集められた集合の絵としてみると、たしかにこの本にあっているように思える。

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相関図はこちらのサイト(http://homepage3.nifty.com/kondoumh/)の『iEdit』というソフトで作りました。