あかね色シンフォニア(瑞智士記、一迅社文庫)

『あかね色シンフォニア』(著:瑞智士記一迅社文庫)を読んだ。
ド直球な百合ライトノベル
完全に「百合」
私立の女子校に入った主人公が、楽器がなくても音楽ができるということに引かれてDTM部(電子音楽研究部)に入部して……。
という話。
まず登場する女性キャラクター(男性キャラクターは一人、しかも主人公のお父さんしか出てこないけど)が、学園モノで普通考えられる範囲をほぼ取りこぼしなく拾っている。
出てくるエピソードも王道。
もしDTMが別のありがちな部活だったら、本当にザ・学園コメディラノベだっただろう。
もっとも、DTMの知識は増えたけど、特段それがストーリーに必然かといえばそうではなく、たまたま著者が経験者だったという感じがする。
…、なんて書くとあまり面白くなかったのかと思われるかもしれないけど、そんなことはなくて、普通に面白い。
文章も特に崩れているわけでもなく読みやすいし、全体的にすごくバランスがいい気がする。
イラストもかわいい。
おそらく一巻で終わる予定では書かれていなくて、いろいろ回収されていない伏線(さなとか、宮内姉妹の仲とか、柚葉とかがりの関係とか)が少し残念ではあるけど、それほど気にはならない。
続編が出れば是非読みたい。