フリーランチの時代(小川一水、ハヤカワ文庫)

『フリーランチの時代』(著:小川一水、ハヤカワ文庫)を読んだ。
『老ヴォールの惑星』に続き、小川一水SF小説
全部で5編の短編集。
表題作の「フリーランチ」という言葉に、『FREE』などで紹介されたドリンク一杯を頼むとご飯食べ放題のシステムを想像したが、少し違った。
最後に収録されている『アルワラの潮の音』は『時砂の王』という長編のスピンオフらしいので、それを除いた4編の感想を以下に。
(アルワラの〜も面白かったけど)
・フリーランチの時代
ずいぶんあっさりとしている、というか明るい。
異星人との歴史上最初の出会い、そして存在そのものを揺るがし兼ね合い提案も、そんなんでいいのか?というくらいあっさりと受け入れている。
『老ヴォールの惑星』の『幸せになる箱庭』の主人公に比べて、どちらかというとこの作品の主人公達のほうがリアルな気がする。
・Live me Me
人間とはなにか、ということを考えさせられる。
医療もの、とでも言うのだろうか。
近未来的で非常に面白いのだけど、建物弱すぎじゃないか?ということが少し気になった(笑)
・Slowlife in Starship
狭い宇宙船で宇宙を漂いながら、時折仕事をするという近未来の若者のふらふらした日常。
AIとの会話や、設定が面白く、松本零士先生の絵でマンガになったら面白いと思った。
・千歳の坂も
終わりがかなり飛んでいる感じがして、いまいちついていけなかった。
ボクは、SFを読むにはすこし常識に縛られすぎているのかもしれないと思った。

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個人的には老ヴォールの惑星の方が好きだった。
面白くないわけではないけど。