カウントダウンノベルズ
豊島ミホの『カウントダウンノベルズ』を読んだ。
音楽の週間チャートベスト10に入ったミュージシャンを描いた10の短編集。
読み終わってからレビューなどを読んでみると、実在のミュージシャンが連想される等のことが書いてあったが、自慢じゃないが音楽をほぼ聞かない僕には誰が誰をモデルにしているのかわからなかった。
っていう程度で。
なのでその辺は音楽をよく聞く人とはたぶん印象が違うはずだ。
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10の短編に登場するミュージシャンはそれぞれ当然状況が違う。
ベテランから新人、解散したグループまで。
でも、誰もがそれなりに挫折や悩みを持っているというのが、短いながらもきちんと伝わってきた。
読後感は決していいとは言えない。
成功していても、挫折してもそれぞれ何かを失っているし、僕にはそれが得たモノよりも大きいモノのように感じられる。
従いはするが納得はしないという繰り返しが、主人公がかわってもそこにあるような気がする。
音楽のことも音楽業界のことも全くの素人だからわからないのだけれど、何が正解なんだろうか?
正確には、何が正解とされているんだろうか。
売れることなのか、メッセージが届くことなのか。
それとも発信する本人の満足なのか。
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さりげなく見るいろいろなランキングの裏にも、当然に様々なドラマがあるということに改めて気づかされる。
別にそんなことは気にしなくてもいい物なのだろうけど、実際に突きつけられたら、一つ一つの物語はたぶんきついんだろうなと思う。
それを考慮してたら、なにも消費できなくなってしまうから、あえて表面的な情報のみを選りすぐって消費することを無意識に選択しているんじゃないだろうか。
それか、そこに理由をつけて、消費するのが楽になるレベルまで見下ろしてみたりとか。
もちろん供給する方だってそんなに純粋なわけじゃないとは思うけど。