6TEEN

石田衣良の6TEENを読んだ。

4TEENは中学時代の話で、6TEENはその続編。

主人公は普通の高校生テツローと進学校に通うジュン、テツローと同じ高校の夜間部似通うダイ、早老症のナオキ。

感想は一言で言うと、中学生とか高校生ってこんなに異性にがっついているものなんだろうか?ということになる。

それを軸にして友情が展開していくんだけど、僕の経験からすると、仲間同士で性についておおっぴらに話をしたり、好きな女の子について話をした記憶はあまりない。

もちろん、オタク全快で過ごしてきた僕の経験が絶対だとは思ってないけど、まわりにだって四人のような雰囲気で話をしている人はほとんどいなかった。

これがリアルと言うのなら、僕は現実というものを再考しなくてはいけないかもしれない。

男子高校生の気持ちの一部分のピックアップとデコレーションだとしても、中途半端で、決してリアルではないし、しかし非現実的というほどありえなくもない感じだ。

小説なのだから、ただリアルであればいいわけではないし、非現実であればいいというわけではないだろう。

でも、そのバランスを欠いてしまえば、なにか居心地の悪いものになってしまうような気がする。

五〇歳近い作者が書いていることを考えれば、今とのギャップが生じるのは当然だろうが、しかし例えば「携帯小説」のような現代的記号の用途があきらかに不自然で、どうせやるならもう一歩踏み込むなり、やめるなりの方法があったような気がする。

あと、全体的に主人公たちは軽いし、台詞がいかにも台詞というかんじで表面的だ。

文章を読んでいるときより、読んだ後にエピソードの内容を思い返しているときの方がいいし、しかしそのエピソードにしたって取り立てて目新しいものではない。

全体的にさくさく読めるところはいいと思った。

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