私が黒髪和服美少女でない理由

先日、関東方面に住む某氏とオフ会をしてきた。
某氏がすでにブログにその時のことを書かれているので、その記事に対する応答的なことを書きたいと思う。
なので先に某氏の記事を読んでいただきたい。
ちなみに某氏ことkouさんとの出会いは多分七年くらい前であり、直接会ったのは今回が初めてだった。
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さて、まずこう言わなくてはいけないだろう。『一体いつから私が黒髪和服美少女ではないと錯覚していた?』と。
kouさんは私が黒髪和服美少女でなかったことに落胆しておられたことを、オフ会終了直後のTwitterでも書いておられる。
きっとこれまでの私のブログの記事やTwitterでの発言を総合して、そのようなイメージを抱いていたに違いない。
誰が読んでも、黒髪少女を想像する以外他ない内容であるということは私も認めざるを得ないことだ。
たしかにオフ会に参加した私の名前を名乗る人物は二十代の男であった。
黒髪以外の特徴はあっていないし、ついでに眼鏡である。
しかしよく考えていただきたい、私たちはその時初対面だったのだ。
オフ会に参加していた男は本当に私、つまり今このブログを更新し、Twitterでつぶやいている人物なのかと疑うべきであった。
本当は言わないつもりだったが、ここまできたらネタばらしをせざるを得ないだろう。
実は私は黒髪の少女であり、よく和服を着用しているのだと。
順を追って話すべきであるが、かいつまんで言うと次のような事情がある。
黒髪少女の私は幼いころから病弱で入退院を繰り返していたため、学校にもあまり行くことができず友達もほとんどできなかった。
そんな時に兄にもらったのが小さなノートパソコンだった。
私はインターネットに出会い、そしてブログを立ち上げて、それまで現実世界では得られなかった友達をたくさん作ったのだ。
その中でも最初に知り合ったのがkouさんだった。
残念ながら黒髪少女であるところの私は、あまりkouさんが趣味としているジャンルには詳しくなかったのだけれど、せっかくできたお友達とお話ししたかったので、マンガなどが好きな兄にいろいろ教えてもらった。
ちなみにたまにある下ネタやよくわからないつぶやきなどのツイートのほとんどは兄がしたことであって、黒髪少女たる私はよくわかっていない。
兄と私は一つのアカウントを二人で使っているのだ。
そんなこんなでこの夏、兄が東京に遊びに行くことになった。
東京と聞いたとき、私は一つのことが頭の中に思い浮かんだ。
今までネット上でしかコミュニケーションをしたことのない人と会えるのではないか。
しかし暑さが苦手な病弱で黒髪少女の私は、夏の東京に行くことはできない。
そこで兄に、黒髪少女たる私の代わりにkouさんに会ってきてくれないかと頼んだのである。
黒髪少女たる私はオフ会終了後のkouさんのツイートとブログを読んで驚いた。
なぜ私が黒髪の少女であり、しかも和服だと知っているのかと。
もちろん兄はそんなことは一切伝えなかったと言った。
黒髪の少女たる私も、おそらく「彼女は作れるけど作らないぜ!」という硬派であろうkouさんは、きっと私のような黒髪の少女など歯牙にもかけないと思っていたからだ。
ところがkouさんは黒髪和服美少女と会いたかった、会って告白したかったと言っている。
私は兄に代理を頼んだことを一瞬後悔した。
けれどもこれでよかったのかもしれないとも思っている。
黒髪和服美少女である私は、兄を愛しているのでkouさんに告白されてもそれにこたえることはできないからだ。
このような理由でオフ会に参加したのは黒髪少女たる私の愛する兄であって、今この記事を書いている私でもなければ、以前からやりとりをさせていただいていた私でもないのである。
(いろんな意味で)ごめんなさい!
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まあ冗談はさておき、私が黒髪和服美少女でなかったことが大いに不満であるというのは納得ができる。
私もkouさんが金髪碧眼の美少女(十歳くらい)なのではないか、その美少女が「おにいちゃんになってください」と懇願して来たり、別れ際に目に涙をためながら手を振ったりするのではないかと期待していたからだ。
ただし上記の妄想偽告白文章のような事情があり、オフ会でお会いした方が金髪碧眼美少女の代理人なのではないかと、まだ少し疑っていることは付記しておきたい。
仮にkouさんが十歳くらいの金髪碧眼の美少女だとすると、知り合ったときの年齢がおかしなことになるが、その辺は死んだ兄のアカウント(勝手に殺してすみません)を引き継いだなどの設定を適用すればカバーできる話である。
本当に冗談はさておき、オフ会はとても楽しかった。
ネット上でのやりとりしかしていない方と直接会うのは初めてだったので、もし怖そうだったらどうしようとか、実はものすごく年上だったらどうしようとか心配していたのだけれどそんなことはなかった。
私よりも年下のはずなのに落ち着きがあってしっかりした方で、話をしていると時間が経つのがあっという間だった。
正直一対一のコミュニケーションには普段から不安があったのだけれど、そんなことは最初の数分間で忘れてしまった。
私ももっといろいろ語り合いたかった。
あと、お土産でいただいたクッキーがとてもおいしかった。
いわゆるクッキーを想像したときに思い出される甘さではなく、自然の甘味がほんのりする。
しかしこれは「世の中そう甘くねーぞ」というメッセージなのかもしれない、と思うと、ちょっとしょっぱかった。
いや、それを抜きにしても自然の甘味より自然の(?)しょっぱ味があった。
kouさんは『エルフの女の子が一生懸命作ったと思って食べるととても良い味がすると思いますよ、ええ』と書かれているが、これはきっと「一生懸命」=「汗をかいて」であり、「エルフの女の子の汗の味がする」ということを言いたかったのではないかと思う。
いや、きっと汗以外のさまざまなエキスも想定しているに違いない。
変態的な発想である。
世の紳士はこのような発想を見習わなくてはいけない。
本当にありがとうございました。
また是非、お会いしましょう