その記号の集合で作り出す空気との摩擦で

ある何らかの特徴を共有する集合があったとして、その特徴的なもののうち特に外見的なものが時間的量的に蓄積されると、その外見的特徴自体がそれをまとったものがその集合の一つであることを約束しているように見えることがある。
それは明示されているわけではなく、暗黙の了解あるいは経験則として、しかしあたかも事実であるかのように思えてしまう。
ある中学校の中学生の共通する何かしらの部分が、その部分を持った生徒をその中学校の生徒であるように見せるというような(いい例が見当たらなかった……)。
あるいは安全である場所、という思い込み。
私にはそんなことが起こるはずがない、という思い込み。
いつもどおりに家を出て、いつもどおりに乗った電車。
窮屈であったもこれまでの安全な日々と変わらないものしか周りにない場所。
比較対象はいくらでもあって、それらに比べて安全で、そして危険なんてきっと無いんだろう。
あってもそこまでではないだろう。
水墨画の展示会にはきっと水墨画しかないだろう。
高級料理店のおせちは美味しいに違いない。
信頼、推測、経験則。
想像された悲劇よりも、想像されない、しかも普段の場所に突如現れた暴力は、その場所の持つ意味を破壊し大きな不安と動揺をもたらす。
安心出来る場と、その場への信頼への揺さぶり。
魔法少女の歴史なんて知らない僕が、「魔法少女まどかマギカ」の第3話を見てなんとなく思ったこと。