午後の再放送ドラマ

平日の午後に再放送されているドラマは、いわゆるゴールデンタイムに放送されているものとはかなり違った雰囲気に感じる。もちろん少し(あるいはかなり)前の作品だということもあるのだろうけど、それ以前に平日の午後にそれを見ているという状態自体、あるいは再放送であるということが大きい。
むかし、中学生の頃によく、というかほとんど学校サボって家で見ていたのは、はぐれ刑事純情派とか鉄道警察もののドラマ、二時間ドラマだった。少し前の月九とかもやってて、それもなんとなく見てた。ただ、全話見ようという気はなくて、ザッピングして引っかかったところだけ見てた。
小学生の頃にたまに学校を仮病で休んだ時も、やっぱり鉄道警察ものを見てた。九十年代末の東京だけど、たしか毎日やってた記憶がある。もっとも、小学校はそんなにサボらなかったから、ほとんど見てないけど。
僕はほとんどドラマを見ない、というか見れない。小さい時に見てなかったからというのもあるかもしれないけど、何か落ち着かない。一度も放送されていない物語を見るということに対して、漠然とした不安というか恐怖がある。放送事故があるとかそういう問題ではなくて、「作り物」だともちろんわかっているし、そんなに作品にのめり込むこともないんだけど、漠然と不安。
その点再放送は一度放送されているので、「作り物」であり物語内では現在でも現実には「過去」のことなので安心してみることができる。そして過去の作品なので見ようと思えばいつでも(レンタルなどで)見ることもできるという義務感がないこともある。もっとも借りてまで見たことはないですが……。
結局、この安心感と自分の思い出フィルターによって、僕にとって午後の再放送ドラマは初見の作品にもかかわらず常にノスタルジックだ。

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