向いてないことはするものじゃない

ミスターダメ兄貴コンテストがあったら確実に上位に入れること請け合いの僕は、基本的に弟から相談を受けることはない。
面白い漫画とかは聞かれたことあるけど。
ところが弟からさっき相談をされた。
しかも就職に関して。
もうね、仕事辞めた人間に就職相談とか嫌がらせですよ。
しかも僕よりも数十倍優秀な弟は、雲の上の職業について(宗教って意味ではない)どう思うかと聞いてくる。
就職するか、進学するかで迷っているらしい。
知るかっ!
貧乏人に高級ステーキとフカヒレスープ(ああ、例えが貧困……)どっちが上手いかと聞かれても、どっちも食ったことねぇよ、としかいいようがない、という状態だ。
まあでも、せっかく相談してきたのだからびしっとそれらしく答えてやろうと思ってちょっと詳しく話を聞いたら、これがもう答えようがないんですよ。
二つの選択肢のうち、一つを選ぶとき、どっちがいいかなんてよっぽど明確に片方がダメな場合じゃなきゃ外野から言いようが無いじゃないですか!
人殺しはいい?ダメ?って聞かれたら「だめじゃない?」と答えるけど、ハンバーガーとチーズバーガーどっち食べればいい? って聞かれたら好きな方喰えよとしか言えないじゃないですか!
ちょっと高いチーズバーガーにしろって言うのは一面では正しいけど、カロリー考えたらハンバーガーじゃないですか!
いやしかし、ここで知らんと答えたら兄の威厳が地に潜ってしまう、ということで答えてやりましたよ。
「サイコロで決めろ」って。
もしくは知り合いの多数決か、クジでもいいけど。
結局どっちでもいいなら、どっち選んだって後悔すること間違いなし。
そして余程の失敗をしない限り、選んだほうが正解だと思うんですよ。
選択時点での正解不正解は、正解だった不正解だったという判断をする時点でその都度再評価されるものなんだから、今の正解を厳密に求めたって意味が無いわけです。
ぐだぐだ言ってないでちょっとでも楽しそうに見えたり気分で選んじゃえよと。
どっちみち後付でその選択をしたことをいい選択だと思わざるをえないか、失敗の原因として恨むことになるんだから。
そういうわけで一言「サイコロで決めろ」
そしたら返事が来なくなりまして。
なんていうか慣れないことはするもんじゃないです。
相談は自分より優秀なやつにしろ、としかアドヴァイスできませんね。
そうすればその選択に正統性があるように思うことができますから。
と、負け惜しみ。