雨の日に古本屋

某私大の院試説明会が今日だと思ったら一昨日だった。
昨日気がついたのだけれどいまさら親にもいえず、時間つぶしのために、少し遠くの古本屋まで足を伸ばすことにした。
今日は生憎の雨。
本屋に行くならば晴れの日がいい。
傘で片手が埋まらないし、持って帰る時に本が濡れてしまう心配をしなくていいから。
まあ天気はどうしようもないので、ぶつぶつ言いながら地下鉄を乗り継いで札幌市内の某所へ。
今日買おうと思っていたのは、2003年から2005年にかけて刊行されていた百合姉妹という百合雑誌。
とある筋から某所の古本屋に2〜5巻があると聞いて、そこに向かったわけです。
事前にちらっと地図を見た程度でしたが、駅からすぐ近くだし、目立つ目印も沢山あるしで、深く考えずに地下鉄で駅まで。
自転車で何度か通ったことのある場所だったのですが、地下鉄を利用したのははじめて。
さっそく出口で迷うものの、そこは大人。
駅構内に貼ってある地図で周辺の状況を確認します。
基本さえ押さえていれば、世の中どうにかなるものです。
……。
そう思っていた時期が僕にもありました。
目印にしてた建物がない。
正確には、2つのうちひとつしかない。
その時脳裏に浮かんだのは、ネットで確認した地図が4年ほど前のものだったこと。
この経済状況の中、いかなる建物も4年も経てばどうなるかわかりません。
なにせ4年。
女子高生が大学4年生になってしまう!
女子小学生が中学生になってしまう!
ダメだ!
カムバック4年間!
いや、そうではなくて、不景気とはときに非情なもの。
しかし干渉に浸る前に水に浸ってしまっては大変なので、ひとまず辺りを散策したところ、探していた古本屋ではなくブックオフに遭遇しました。
地獄に仏、駅前通りにブックオフとはよく言ったもので、思わずふらふらと迷い込んでしまいました。
まあないだろうなと思いながらまず雑誌コーナーに行っても、やはり無し。
仕方がないので、以前から探していた本を探しつつ、ライトノベルの棚をチェックするというのはいつものブックオフスタイルですの。
最近気になるラノベ文学少女シリーズなのですが、さすがにいま読み始めるといろいろと支障をきたすおそれがあるので、全巻そろってることに感動しつつ購入は見合わせました。
かわりに清涼院流水のコズミックとジョーカーを購入。
あれ、この4冊合わせたら、文学少女シリーズ6冊分にはなるんじゃねーのとか思わずに、華麗に購入してブックオフから立ち去ったとき、僕はとてつもない自体に気が付きました。
JRの駅がある!と。
某所は、地下鉄の駅とJRの駅が両方あり、その二つは500メートルほど離れているのです。
僕はてっきり地下鉄駅からすぐの場所に古本屋があると思っていたのですが、実はJRの駅のすぐそばだったのです。
目印の建物もあります。
そして、地下鉄駅のすぐ近くにあった、不況を乗り越えた目印(ダイエー)は、実は目印ではなく、イトーヨーカドーが本当の目印だったにもかかわらず、同じスーパーだしという理由で僕がかってに勘違いしていたのでした。
なんたる失態!
くそう、旧国鉄の罠に見事にはまるとは……。
これは中曽根政権の呪いに違いない、息子さん当選おめでとうなどと思いながらふらふらとJRの駅に近づいたら、あっさり古本屋さんを発見しました。
古本屋さんはコンビニくらいの広さで、中は半分がマンガ、あとのスペースにCDやDVD、そして文庫本と単行本。
さっそくマンガの棚を見に行ったところ、充実してました。
アダルトコミックが……。
ツイッターでさんざんシモネタをつぶやくという、街角でやったらちょっとしたセクハラじゃ済まない行為をしておきながら、現実のアダルティな物質にはあまり免疫のないわたくしこと純情キャラ気取りは、客がまったく以内にもかかわらず、その棚を見ていることに耐えられなくなり、文庫本コーナーに退避。
ツルゲーネフの絶版や、その他もろもろを探しつつ、しかしあの棚のどこかに百合姉妹が在るかもしれないと思い、どうしようかと思案に暮れていました。
しかしよく良く考えてみたら、小学生が違法ダウンロードでエロゲーをやる時代、二十歳を過ぎた男がエロ本が多数並んだ棚の前にいて何がおかしいと。
むしろいない方がおかしい。
ビジネス書なんか読んでないでエロ本読めよ、サラリーマン。
そんなふうに思って再びアダルティな棚へ……。
行く前に普通のマンガコーナーをうろうろ。
以前から探している、古い少女マンガがあればいいなと思っていたのですが見当たらず。
以前から探していた少年漫画も見当たらず。
で、ふたたび例の棚へ。
以前、4年ほど年の離れた先輩に言われた「おまえたちはダウンロード世代」という言葉は、未だに僕の胸に刻み込まれているのですが、まさにそのとおりだと。
あえて修正するなら、ストリーミング世代ではないかと思うのですが、まあそれはいいとして。
電子書籍と紙のエロ本でおそらく一番異なるのはその存在感なのだろうなと思われます。
想像してください。
電車で向かいに座った女子高生が、読んでいる電子書籍に大量のエロ漫画を蓄積しているのと、一冊のエロ漫画を読んでいるの、どっちがいいですか?
まてよ、前者もそれなりに……。
カバーの光沢とか、質量とか日に焼けた感じとか、おそらく今共有されている様々なイメージと目の前にあるそれとのミックスによる存在感は、おそらく電子書籍にはないのです。
だからといって、電子書籍に反対なわけではありませんけど、将来、電子書籍が主流になったときに、エロ本棚は博物館に展示されるべきだと僕は声を大にして(ry
飽きたので結論からいうと、手に入りました。
棚の上に積んであって、ネットで売っているもので、本来店では販売していないから云々という説明を受けた後、購入。
まだ読んでないですが、現在の百合姫百合姫Sと比べると薄かったんですね。
比較したことなかったんで、イメージとは少しズレがありました。
あとの1と6を探さないといけないのは大変ですが、まあ頑張ろうと思います。