ザ・フェミニズム

『ザ・フェミニズム』(上野千鶴子小倉千加子ちくま文庫)を読んだ。
お二人の対談が二本収録されている
この本ほどあとがきから読んだ方がいい本はなかなかないかもしれない。
上野千鶴子氏のあとがきを読まなければ、ちょっともうフェミニズムは……。
と思っていたかもしれない。
ようするにフェミニズムっていろいろあるんです、っていうのがあとがきの主旨で、まあそれならしょうがないと言う感じがした。
だいたいタイトルがまぎらわしい。
「ザ・フェミニズム」なんて言われたらこれがフェミニズムなのかと思って読んでしまう。
本文中にも、そしてあとがきなどにも書いてあるけど、お二人は本流のフェミニストではないそうだ。
ただ、僕のイメージとしてのフェミニズムと、上野千鶴子氏の言っていることはわりと近いような感じがした。
小倉氏の言っていることが「私はあれが嫌い」と「こうであるべき」ばかりだな、という印象だったが、遙洋子氏の解説での『上野氏の掲げる理想に、小倉氏は現実を突きつける』という一文に、そういわれればそうかと思った。
かといって、門外漢であるからかもしれないが、必ずしも小倉氏の言っていることが、具体的には女性像や男性像がリアルかどうかにはかなり疑問があるが。
対談集であり、なおかつ「おいおい……、これフェミニストなのか……?」という感じで読んでしまったので、もう一度読み返せばまた印象が違うかもしれない。
たぶんしばらく読まないけど。
編集者の方がつけたらしいが、タイトルはたぶん変えた方がいい。
買わせる為のタイトルという意味では、買ってしまった立場だと正解ですねとしか言えないけど。
入門書にしてはちょっと微妙だし、両氏のファンなら買いなんじゃないだろうか。
別に新しい本でもないし。