もう5月半ばなんて嘘だと言ってよ……

気がついたら五月も半分が終わろうとしている。
確かに日が出ている時間は長くなっているけれど、春と言うにはまだまだ寒いというのに、もう二週間もすると初夏と言われる月に入るとは、月日が立つのはハヤイ。
両足の複雑骨折が一晩で治るくらいのレベルの奇跡を経て始まった新生活も一ヵ月半が過ぎて、ある程度居場所というか居方がわかってきて落ち着いてきた。
とりあえず真面目に過ごしつつ、夜はお酒を少々嗜めば、まあなんとか生きていけそうな気がする。
今日はちょっとした祝い事があって、夕食でワインを飲んだ後、さっきから一人でコンビニで買ってきたジンを飲んでみている。
いままで飲んだことがなかったので、最初は香りに戸惑ったけれど、慣れてしまえば美味しい。
これは柑橘系の果実の香りなんだろうか?
氷がないのでストレートで飲んでいるけれど、度数の割に飲みにくくないので、アニメを見ながらだと結構進んでしまいそうな気配がする。

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ところで。
旧知の人が亡くなったという話を人伝に聞いた。
もう五年以上も会っていない、親戚はない人だ。
友達という関係でもなく、もちろん恋人でもなかった。
始めにその話を聞いたとき思ったのは、今年は知っている人がよく死ぬなぁということだった。
二月末に祖父が亡くなったときのことは書いたけれど、これで今年は二回目だ。
人付き合いをあまりせず、狭い人間関係の中にとどまっている人間にとって、半年の間に二人も知っている人がいなくなるということは結構珍しく感じられる。
知らないだけで、もしかすると何人も亡くなっているのかもしれないけれど、知らなければそれは意味が無い。
知っていたとしても、今回のことに関して、どう感じるべきなのかはよくわかっていないけれど。
もう多分一生会うことのない人が、生きていようが死んでいようが、それは何か差があるのか。
僕は彼女のことはもうすっかり忘れていたし、たぶん今後も思い出すことはなかったはずだ。
亡くなったことも偶然の知らせによって思い出したに過ぎない。
知ったところで何の感慨もない。
冥福を祈ろうにも、個人的な信仰を持っていないし、彼女が何らかの信仰を持っていたのかも、どういう形でおくられたのかまでは知らないから、どうしようもない。
嘘でもいいから手を合わせるべきなのか……?